(昭和40年6月29日法律第137号)昭和40年8月28日(平成5年11月12日法律第89号)
【第一章 総則】
第一条 この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主として その基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
2:この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。
3:この法律で「理学療法士」とは、厚生大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。
4:この法律で「作業療法士」とは、厚生大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。
【第二章 免許】
第三条 理学療法士又は作業療法士になろうとする者は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格し、厚生大臣の免許 (以下 「免許」という。)を受けなければならない。
【欠格条項】
第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、理学療法士又は作業療法士の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 素行が著しく不良である者
四 精神病者、麻薬、大麻若しくはあへんの中毒者又は伝染性の疾病にかかつている者
【理学療法士名簿及び作業療法士名簿】
第5条 厚生省に理学療法士名簿及び作業療法士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
【登録及び免許証の交付】
第6条 免許は、理学療法士名簿又は作業療法士名簿に登録することによつて行なう。
2 厚生大臣は、免許を与えたときは、理学療法士免許証又は作業療法士免許証を交付する。
【免許の取り消し等】
第7条 理学療法士又は作業療法士が、第四条各号のいずれかに該当するに至つたときは、厚生大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ずることができる。
2 都道府県知事は、理学療法士又は作業療法士について前項の処分が行なわれる必要があると認めるときは、その旨を厚生大臣に具申しなければならない。
3 第一項の規定により免許を取り消された者であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、前条の規定を準用する。
4 厚生大臣は、第一項又は前項に規定する処分をしようとするときは、医療関係者審議会の意見をきかなければならない。
【政令への委任】
第8条 この章に規定するもののほか、免許の申請、理学療法士名簿及び作業療法士名簿の登録、訂正及び消除並びに免許証の交付、書換え交付、再交付、返納及び提出に関し必要な事項は、政令で定める。
【第三章 試験】
(試験の目的)
第9条 理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験は、理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能について行なう。
(試験の実施)
第10条 理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験は、毎年少なくとも一回、厚生大臣が行なう。
(理学療法士国家試験の受験資格)
第11条 理学療法士国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
1:学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十六条の規定により大学に入学することができる者で、文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの
2:作業療法士その他政令で定める者で、文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した理学療法士養成施設において、二年以上理学療法に関する知識及び技能を修得したもの
3:外国の理学療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で理学療法士の免許に相当する免許を受けた者で、厚生大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
(不正行為の禁止)
第13条 理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に関して不正の行為があつた場合には、その不正行為に関係のある者について、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。この場合においては、なお、その者について、期間を定めて理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験を受けることを許さないことができる。
(省令への委任)
第14条 この章に規定するもののほか、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験の科目、受験手続、受験手数料その他試験に関し必要な事項並びに第十一条第一号及び第二号の学校又は理学療法士養成施設の指定並びに第十二条第一号及び第二号の学校又は作業療法士養成施設の指定に関し必要な事項は、省令で定める。
【第4章 業務】
(業務)
第15条 理学療法士又は作業療法士は、保健婦助産婦看護婦法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
2:理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。
3:前二項の規定は、第七条第一項の規定により理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。
(秘密を守る義務)
第16条 理学療法士又は作業療法士は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。理学療法士又は作業療法士でなくなつた後においても、同様とする。
(名称の使用制限)
第17条 理学療法士でない者は、理学療法士という名称又は機能療法士その他理学療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。
2 作業療法士でない者は、作業療法士という名称又は職能療法士その他作業療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。
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